ウェブのこと

Webサイトの役割を考える(2/3)

Webサイトの役割を考える(2/3)

前回、Webサイトは、大量の情報を収録すればいいというものではないということについて書きました。
・前回のブログは[ こちら ]。
では、Topページの造りやカテゴライズの方法、またはグローバルナビゲーション等を工夫して、そういった大量のコンテンツへのアクセスを分かりやすくすればいいと考えるかもしれません。もちろんこの工夫は必要です。いやむしろ必須です。こうした工夫が必要だからこそ、Webデザインを「最適化」するためのプロとしてWebデザイナーの力が必要になるということでしょう。

しかしおそらく、これだけでもきっと結果は同じことになるでしょう。
大量のコンテンツに対し、人が感じる難易度は、デザインの工夫によって軽減されたとしても、きっと、根本解決にはつながりません。
しかもこれらの工夫は、「なにか求めている情報が明確で、それを求めてこのサイトに訪れた人に対してのみ有効な施策」であると言えると思います。

それではそのもっと外側にいる、そういった方々よりも若干モチベーションの落ちる方々についての対策は、Webサイトでは不可能ということになるのでしょうか。
いえいえそうではありません。ただこれを考えるためには、そういった方々がどのような方々なのか、ということについてもう一度考えてみる必要があります。

まず、明確な情報収集動機を持っていません。つまり、自分から検索して情報取得をしてくれる可能性は低いということ。しかし、ひょっとしたら潜在的にそういった情報には反応するかもしれないという可能性がある。自分の意識の中で表層化していないけれども、なにかのきっかけでその情報に接した時、そのモチベーションが自分の中にあることを思い出すかもしれない。気づくかもしれない。そんな人かもしれない。
とした場合、そういう人に対してWebサイトは極めて無力です。閲覧のために訪問していただかなければ内容を伝えることができない。訪問していただいたとしても、Topページからその方自身に、欲しい情報を探していただく必要がある。そうしたWebサイトの特性は、モチベーションの低い方々にとっては、決して使いやすいメディアではないでしょう。

それではどうするか。まずは、その方々がそうした情報に触れるための接点を作ります。どこで?...それがソーシャルメディアや広告メディアの役割です。Webサイトの特性は、モチベーションの低い方々の視野の中に自ら飛び込んで行きにくいという点にありますから、そこを別のメディアで補完するという戦略です。
それではこの続きはまた次回。

--------------

「Web担当者 仕事としくみがわかる本 初めての見積りから制作・運用 SNS活用まで」
アマゾンからのお申し込みは [ こちら ]

著者:藤田拓人、清水 豊
単行本: 224ページ
出版社: MdNコーポレーション
発売日: 2015/4/27
価格 :2,160円(税込み)

主なコンテンツ内容
・序章:Web担当者の仕事
・第1章:設計 - 目的と役割を明確にする
・第2章:発注・見積り - Web制作会社を見極める
・第3章:制作 - 円滑なプロジェクト管理を行う
・第4章:ソーシャルメディア - Webサイトとの連動による相乗効果
・第5章:運用・効果測定 - Webサイトは公開してからが本番