ウェブのこと

CMSを使うといい理由(2/2)

CMSを使うといい理由(2/2)

Webサイトはある程度の期間の後、やっぱりどうしてもリニューアルしたくなるもの。多くは3年に一度くらいのペースでリニューアルしていることが多いようです。これは、3年から長く見ても5年くらい経過すると、Webサイトの構成トレンドが変化し、サイトの見せ方自体が古くなってしまう。場合によっては、元のサイトで使っていた技術が、時代の変化に伴って使われなくなり、そもそも表示されなくなるというようなことも起こります(例えば今で言えばFlashアニメーションがiOSで表示しないなど)。さらには、新しいデバイスの登場などによって、そのデバイスに表示対応する必要が出てくる、など、あまりそこに必要性が高くなくとも、どうしてもそういった要請が発生するということになるでしょう。

そんな時、今までだったらどうしたか。
元のサイトに掲載されているコンテンツをすべて移行し、文字通り丸っとすべてを新しいサイトに移すということが必要になってしまいます。 当然、その手間は尋常ではないため、その分工数が増えそれに伴って金額もけっこうかさんでしまう。これを定期的に繰り返していくのは、さすがにちょっと厳しいということになりはしませんか。

そこで「CMS」...コンテンツ管理システムです。
前回、CMSを導入しておけば、クライアント側で自由にWebサイトの更新ができるというお話をしました。しかし、CMSの利点はまだあります。その一つがこの、リニューアル時のコンテンツの取り扱いです。

CMSでは、コンテンツ部分=テキストや写真と、その見せ方を、より厳密に分別し、これをデータベースとして整理した状態で確保しています。
つまり、サイトのリニューアルをしたいと考えた場合、この見せ方の部分のみを更新すればOK。これまで表示していたコンテンツはそのまま、新しいデザインとレイアウトの必要な場所に引用し、これまで通り見せることができるという次第です。

結果、Webサイトのリニューアルでは、デザインとレイアウト、それに伴う新しい仕組みやUI(ユーザーインターフェイス)の設計に集中特化すればよいということになりますから、当然コンテンツを丸ごと移行する分の工数や時間も節約され、費用も軽減されることになります。
また、より磨かれたサイトを作るということにおいてもより集中した対策を考案することができるようになるでしょう。

これまであまりなかった考え方かもしれませんが、Webサイトのコンテンツも、特に企業にとっては立派な資産です。これを無駄にすることなく、より有効に使っていくことは、企業のPRという面で考えても、決して軽いことではないと考えます。
そのための有効な手法としてのCMS活用。
今のWebサイト構築にはほぼ必須のツールと思います。

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単行本: 224ページ
出版社: MdNコーポレーション
発売日: 2015/4/27
価格 :2,160円(税込み)

主なコンテンツ内容
・序章:Web担当者の仕事
・第1章:設計 - 目的と役割を明確にする
・第2章:発注・見積り - Web制作会社を見極める
・第3章:制作 - 円滑なプロジェクト管理を行う
・第4章:ソーシャルメディア - Webサイトとの連動による相乗効果
・第5章:運用・効果測定 - Webサイトは公開してからが本番