ウェブのこと

WebサイトはあくまでWeb戦略全体の中の1つのピース

WebサイトはあくまでWeb戦略全体の中の1つのピース

Web戦略というとまず出てくるのがWebサイト(ホームページ)制作の話。もちろんこれはこれで間違ってはいないのですが、まず理解しておきたいのは、
「Webサイトはあくまで、Web戦略全体の中の1つのピース。」
であるということ。つまり、Webサイトを作ったからといって、それでWeb戦略が完結するということはまずないということです。
理由は、Webサイトがとても受け身なメディアあるということ。この点はしっかり認識しておきたいと思います。

自分がWebサイトを見る側だったと考えましょう。あなたはWebサイトを見る時どうしますか?
まずおそらく、そのWebサイトを見ようと思ったなんらかの動機があったでしょう。例えば「〇〇について調べたい」「○○ってどうやるんだろう」「〇〇ってどこにあるんだろう」とか。
その上で、その動機に基づいた単語で検索し、そこに表示されたサイトのリストからクリックしてそのサイトを見る。多くはそういうことなんじゃないかと思います。
それもきっと、本当に見たいサイトが具体的に決まっている場合でない限り、その時に見るサイトは1つではないことと思います。たいていは複数のサイトを見て比較する。そしてその中からもっとも自分の動機を満たしてくれそうなサイトに落ち着ついて、深く読み込んでいく、そんな感じではないでしょうか。
つまり、そのWebサイトを見ようと思ったのも、見るまでの過程も、原則としてすべて閲覧者側のアクションであって、たくさん表示されるサイトの中から、そのサイトを見て選ぶのも、閲覧者側のアクションということになります。

それではここで立場を運営者側に戻しましょう。運営者としてできることはなんでしょう。
Webサイトの情報を更新する。検索エンジンで上位表示されるように頑張る...なんとこれしかありません。
つまり、どんなに情報をせっせと更新しようと、その時点ではその努力は閲覧者にはまったく届きませんし、SEOを頑張って検索上位表示するようにしたとしても、閲覧者側がそのニーズに気づいていない状態ではそもそも検索すらしてもらえません。
それはかなり「点」な状態のマッチングということが言えるんじゃないかなと思います。
1. 閲覧者にそのニーズが発生する機会がある。
2. Webでその情報を得ようと考える。
3. 検索でWebサイトを検索して探そうとする。
4. あなたのサイトがたまたま目に止まる。
5. クリックする。
運営者側ではほぼどうすることもできないこれら閲覧者側のアクションをとにかく待ち、その機会が訪れた時にできるだけ確率高く網にかける。それがWebサイト「単体でのみ」考えた場合のWeb戦略の基本になってしまいます。

どうでしょう。これはちょっと確率が上がりそうもないなと感じませんか?...それならばその確率を上げる方法を考えてみましょう。これをWebサイト単体でやるより、他のメディアを絡めてやった方が良さそうだなと思いませんか?...ということなので、
「Webサイトはあくまで、Web戦略全体の中の1つのピース。」
ということになります。
だからWeb戦略でまず考えるべきはWebサイトの制作ではなく、もっと全体戦略を考えましょうという、そんなお話しでした。

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主なコンテンツ内容
・序章:Web担当者の仕事
・第1章:設計 - 目的と役割を明確にする
・第2章:発注・見積り - Web制作会社を見極める
・第3章:制作 - 円滑なプロジェクト管理を行う
・第4章:ソーシャルメディア - Webサイトとの連動による相乗効果
・第5章:運用・効果測定 - Webサイトは公開してからが本番