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ソーシャルメディアの弱みってなんだ?

ソーシャルメディアの弱みってなんだ?

言うまでもなく、ソーシャルメディアはとても有用なツールです。しかし万能ではない。例えば、どうしても予算がないという場合において、Webサイトを作るよりもソーシャルメディアの運用を優先することを提案することなどもありますが、それは決して本当にいい状態ということではないと思っています。

それでは、ソーシャルメディアの弱点ってどんなところでしょう。まず、ソーシャルメディアでの長文伝達が難しいという点が挙げられます。
いや、書けますよ。現状140文字に限定されているTwitterでさえ(近々この限定も解除されるとも言われていますが)、現状、ちょっとやり方を工夫すれば140文字以上の情報を投稿することが可能です。
でも見る側の立場に立って考えた場合、それって読むか?...と思います。自分だったら読まないんですよね。よほど興味を惹かれた場合を除けば、大抵読みません。
理由は簡単です。ソーシャルメディアを見る時って、決して落ち着いて見ているということはないんです。自分のタイムラインに、大量に流れてくる友だちや「いいね!」しているページの記事、Twitterならフォローしている相手の記事を、限られた時間でザーッと眺めていく。そして、その中で目を引いたものだけに立ち止まり、場合によってはその詳細を読む、という感じです。
とすればそこに長文を書いても、先にそれを読むことの面倒臭さを感じて、一度立ち止まったとしても、それをすべて読む気にはなかなかならないというのが正直なところです。
つまり、詳しい内容を丁寧に伝えるということには圧倒的に向かないということになります。

次は、情報がどんどん流れてしまうということ。
投稿した記事は、新しい記事に押し流され、閲覧者との設定は概ね一期一会になります。同じ記事が繰り返し接点を持てるとすれば、その記事の人気が高く、「いいね!」やコメントが長い期間にわたって繰り返しついた場合のみということになります。
ということは、定常的に、何度も参照してもらいたい情報を掲載しておく場所としては向いていないということになります。

つまり、ソーシャルメディアはとっても有効だけれども、それだけでは伝えきれないことがどうしてもあるというということ。
それではそれをどうするか。それは、こういうことが得意なメディアに委ねるのがいいということになります。ソーシャルメディアで見出し的な情報を伝えて、詳細を伝えやすいメディアにそこからリンクを張る。つまり、ソーシャルメディアには、原則として告知・拡散・そして入口機能を担ってもらうということが有効ということになります。
それってなに?...さぁ、もうお分かりですね。

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・第2章:発注・見積り - Web制作会社を見極める
・第3章:制作 - 円滑なプロジェクト管理を行う
・第4章:ソーシャルメディア - Webサイトとの連動による相乗効果
・第5章:運用・効果測定 - Webサイトは公開してからが本番