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「なんのために?」は最初の一歩

「なんのために?」は最初の一歩

Webの戦略を考える際、その最初の段階でやることはなにかと言えば、
「なんのために、そのWeb戦略を実施するのか。」
ということを明確にすることなんですが、実はこれがしっかりしていないと、あとがボロボロになってしまう。
なぜなら、その後に考える各論、いわゆる具体策はすべて、これがベースになるから。つまり、そのWeb戦略が、売上を上げたいがためにやるのか、認知度を上げたいがためにやるのか、実店舗への来店客数を上げたいがためにやるのか...等など、この目的によってやることが全然変わってしまうということ。

また、Web戦略においてもっとも大切になる運用においても、この目的が変われば運用方針も全然変わる。さらに言えば、それらの施策が成功したのか失敗しているのかをはかる指針をどこに設定するのかということにおいても、目的が変わればすべてが変わってしまうということです。
だからこの、最初に考える「なんのために」が極めて重要。とにかくここをできるだけ明確に、そして具体的にイメージすることこそ、Web戦略を考える上でのまさに最初の一歩と言えるでしょう。
実はこれ、Web戦略に限らず、どんな取り組みであっても同じことが言えると思います。
例えば、あるイベントを実施するにあたり、そのイベントをなんのために実行するのか、が、明確でなければ、そのイベントでどのようなことを実施すればいいのかという具体的な各論は積み上げられません。なぜなら、方や、
「そのイベントを通して認知度を上げ、多くの方に見てもらいたい。」
と思っているのに、もう片方では、
「とにかく瑕疵なく、イベントを終わらせたい。」
と思っているという状況にあった場合、その齟齬を調整しなければ、そのイベントの規模、サービス内容、実施のために必要な要素、PR手法など、そのすべてが変わってきてしまう。実際の打ち合わせをしたところで、この齟齬がある状態では双方の言っていることはなにかどうも噛み合わないということになるでしょう。そりゃそうです。だって目的として設定しているゴールが全然違うんですもんね。
もっと分かりやすく言えば、料理なんかが分かりやすいかもしれませんね。
なにを作るか、それをどんなレベルで作るか、これがもし違っていたらどうでしょう。
方やカレーを作ろうとしている。もう片方はシチューを作ろうとしている。もう一人はカレーを作ろうとしているんだけど、食べてくれた人がビックリするくらいおいしいカレーを作ろうとしている。
これは一見、同じ材料を使って料理を勧めていくという点で共通点が多いように思いますが、そのゴールに向けて考えることや準備するもの、そして工程の選択はおそらくかなり違うものになるでしょう。
だって、単に「作るだけ」なら市販のルーでも充分それらしいカレーになりますが、「ビックリするほどおいしい」となれば、その「ビックリ」をどこで引き出すかの工夫が重要になりますからね。
すべては各論の前に目的ありきです。
Web戦略もこれが最初の一歩。
それではこれをどうやって考えていけばいいか。
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著者:藤田拓人、清水 豊
単行本: 224ページ
出版社: MdNコーポレーション
発売日: 2015/4/27
価格 :2,160円(税込み)

主なコンテンツ内容
・序章:Web担当者の仕事
・第1章:設計 - 目的と役割を明確にする
・第2章:発注・見積り - Web制作会社を見極める
・第3章:制作 - 円滑なプロジェクト管理を行う
・第4章:ソーシャルメディア - Webサイトとの連動による相乗効果
・第5章:運用・効果測定 - Webサイトは公開してからが本番