ウェブのこと

なにを見て心動かされるのかを考える

なにを見て心動かされるのかを考える

閲覧者側の動向としてはすっかり定着した感のある「コンテンツ・ファースト」。しかし、発信側ではまだまだという感じで、実際今でも、デコレーティブなデザインに、ついついこだわってしまう方が多くて苦笑もの。そこでちょっと考えたのが、そもそも「コンテンツ・ファースト」という言い方が良くないのかなということ。
そりゃあね、今まで耳にしたことのない新しい言葉ですもの、それをいきなり理解して即実行せよというのは難しいかもねと思います。

しかしそれはもう簡単なことなんです。このブログでも既に何回か言ってますが、自分が他者の発信物を見る側になったと想像してみましょう。例えば具体的に、どこかの会社のパンフレットでもいいですし、商品パンフレットでもいいでしょう。それを見たと想像してください。
そこに書かれている内容で気になるものはなんですか?...多分、

1. そのツールに書かれた中心主題である会社または商品そのものの情報。
2. それがどのくらい自分にとっていいと思えるものなのか。
3. そして最終的には、それをどのくらい自分に益する形で得られるか。

ということなのではないかと思います。
間違っても、その表紙の背景写真がどうとか、使ってるフォントがどうとか、レイアウトがきれいだなとか、そういうことではありませんよね。
それはもちろん、全体の体裁を整え、主題となっている会社や商品の魅力を損なわず、むしろそれをより魅力的なものに見せる、という意味では有用なものなんですが、実はそれ自体が、閲覧者のモチベーションをアップさせる主要因にはなりません。
とにかく第一は、主題となっている会社や商品の情報=コンテンツだということです。

つまりこれが「コンテンツ・ファースト」の本質。
閲覧者がなにによって心動かされるのか、これを考えれば、自ずとその答えが見えてくる。
「ここの色合いが...。」
「フォントを明朝に...。」
「背景に写真を入れてそれらしく...。」
なんていう各論に気を取られる前に、そのコンテンツの中のいったいなにが、閲覧者の心を動かすポイントになり得るのか、をしっかりと考えます。
その結果、
「ここの記述はもっと目につくようにしよう。」
「その上でこのボタンをクリックしてもらえるようにしよう。」
というような判断をして、デザインやレイアウトに調整を入れていくのはまさしく「コンテンツ・ファースト」。同じなおしを入れるということでも、意味合いやその先にある効果への接続性は段違いになると思いますよ。

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主なコンテンツ内容
・序章:Web担当者の仕事
・第1章:設計 - 目的と役割を明確にする
・第2章:発注・見積り - Web制作会社を見極める
・第3章:制作 - 円滑なプロジェクト管理を行う
・第4章:ソーシャルメディア - Webサイトとの連動による相乗効果
・第5章:運用・効果測定 - Webサイトは公開してからが本番