ウェブのこと

モバイル・ファーストとコンテンツ・ファースト

モバイル・ファーストとコンテンツ・ファースト

まずはご自身のサイトのGoogle Analyticsデータを見てみましょう。アクセスしている方が使用しているデバイスはなにが中心ですか?
おそらくですが、あなたのサイトが表現しているものが、個人のお客様を対象にしているものであれば、アクセスしている方が使用しているデバイスの、もっとも多くの割合を占めているものはモバイル端末ということになるでしょう。もっと踏み込んで、その方たちが使っている機種までを見ると、いかにスマートフォンからのアクセスが多いかが分かることと思います。
つまり、こうしたサイトでは、パソコン版での見た目よりも、圧倒的にモバイル版での見た目の方が重要ということになります。ですから当然、こうしたサイトではパソコン版よりも先んじて、モバイル版での表示を考える必要があるということになります。これを「モバイル・ファースト」と言います。

さてそれでは、スマートフォンからWebサイトを見るということを想像してみましょう。
画面はけっこう小さいですね。それでも最近は大型化し、さらに解像度も高くなって見やすくなったとはいえ、やはり実態としての表示面積は小さいものです。
となると、そこに表示されるものの優先順位はどんな風になるのがふさわしいと思いますか? ここが考えどころです。

旧来型のWebサイトデザインでよくあったのは、
「ここに〇〇をあしらうことで御社の●●を表現し...」
とか、
「ターゲットである女性を意識して、ここに●●なデザインを施し...」
等というお話。

さてさて、スマートフォンで見ている閲覧者に、そんなデザイン、必要ですかねぇ...。閲覧者は、そのデザインの善し悪しを見たいんでしょうか。実態コンテンツの周囲に施されたイメージによって、心を動かされたりするんでしょうか。
おそらくは違いますよね。
閲覧者が心を動かされ、次の行動に移るトリガーとなるものは、まさしくそこに記載されているコンテンツそのものの力によるところの方が圧倒的に「大」なはずです。つまりそれは、商品やサービスの情報であり、それがいかに閲覧者の方にとってなんらかのメリットがあるかということが鍵になります。
要は、まさしく日々実施している事業や活動そのものが大切ということですね。

ではそこに、いろいろなデコレーション要素があって、肝心のコンテンツの表示エリアを消費してしまっていたらどうでしょう。特にスマートフォンでは、ちょっとしたデコレーションがあるだけで、消費される表示エリアの比率はけっこうバカになりません。
なんかそれってもったいなくないですか? どうせならもっと、閲覧者の心を動かす可能性のある要素を優先しましょうよ。
いやむしろ、ただでさえ狭い表示エリアなんですから、優先順位の低いものは排除して、もっと見せたいものに絞り込んでちゃんと見せましょうよ。直接閲覧者のモチベーターにならないデコレーションなんていらないと思いませんか?
つまりこれがコンテンツ優先主義「コンテンツ・ファースト」という考え方です。
いかがでしょう。私自身はとっても理にかなった考え方だと思うんですけどねぇ。

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主なコンテンツ内容
・序章:Web担当者の仕事
・第1章:設計 - 目的と役割を明確にする
・第2章:発注・見積り - Web制作会社を見極める
・第3章:制作 - 円滑なプロジェクト管理を行う
・第4章:ソーシャルメディア - Webサイトとの連動による相乗効果
・第5章:運用・効果測定 - Webサイトは公開してからが本番